今回は、建設業許可29業種の一つである「管工事業」に焦点を当て、具体的にどのような工事が管工事に該当するのか、そして、一般建設業許可を取得するために必要な「専任技術者」の資格要件について、詳しく掘り下げて解説していきます。貴社が手掛ける工事が管工事に該当するのか、そして許可取得に必要な要件を満たしているのか、ぜひこの機会に確認してみてください。
目次
- 管工事とは?その具体的な工事範囲
- 他の業種との区分の考え方
- 土木一式工事との区分
- 水道施設工事との区分
- 管工事業の一般建設業許可における専任技術者の資格要件
- 1. 指定学科の卒業と実務経験による場合
- 2. 実務経験のみによる場合
- 3. 国土交通大臣が定める資格等による場合
- まとめ
管工事とは?その具体的な工事範囲
「管工事」とは、冷暖房、冷凍冷蔵、空気調和、給排水、衛生などのための設備を設置する工事、または金属製などの管を使用して水、油、ガス、水蒸気などを送配するための設備を設置する工事を指します。
具体的には、以下の工事が管工事業の許可範囲に含まれます。
- 冷暖房設備工事
- 冷凍冷蔵設備工事
- 空気調和設備工事(冷媒の配管工事などフロン類の漏洩防止工事も含む)
- 給排水・給湯設備工事
- 厨房設備工事
- 衛生設備工事
- 浄化槽工事(規模の大小を問わず、浄化槽(合併処理槽を含む)によるし尿処理施設の建設工事)
- 水洗便所設備工事
- ガス管配管工事
- ダクト工事
- 管内更生工事
- 家屋その他の施設の敷地内の配管工事および上水道等の配水小管を設置する工事
- 建築物の中に設置される通常の空調機器の設置工事
- 公害防止施設を単体で設置する工事のうち、排水処理設備
他の業種との区分の考え方
管工事は、他の建設業種と重複する部分もあるため、区分の考え方を理解しておくことが重要です。
土木一式工事との区分
- 公道下等の下水道の配管工事や、下水処理場自体の敷地造成工事は「土木一式工事」に該当します。
- 家屋その他の施設の敷地内の配管工事や、上水道等の配水小管を設置する工事は「管工事」に該当します。
- 農業用水道や、かんがい用配水施設等の建設工事も「土木一式工事」に該当します。
水道施設工事との区分
- 上水道等の取水、浄水、配水等の施設や、下水処理場内の処理設備を築造・設置する工事は「水道施設工事」に該当します。
- 公共団体が設置するもので、下水道により収集された汚水を処理する施設の建設工事も「水道施設工事」に該当します。
管工事業の一般建設業許可における専任技術者の資格要件
建設業許可(一般建設業許可)を取得するためには、各営業所に「専任技術者」を配置する必要があります。専任技術者は、建設工事の請負契約の締結および履行に関する技術上の管理をつかさどる者で、常勤であることが求められます。
管工事業の専任技術者となるための要件は、大きく分けて以下の3つです。
1. 指定学科の卒業と実務経験による場合
管工事に関連する指定学科を卒業し、所定の実務経験を積むことで専任技術者となることができます 。
- 指定学科: 「土木工学」、「建築学」、「機械工学」、「都市工学」、または「衛生工学」に関する学科が指定されています。
- 実務経験
- 高等学校(旧実業学校を含む)または中等教育学校の指定学科を卒業した場合:管工事に関する5年以上の実務経験が必要です 。
- 大学(旧大学令による大学を含む)または高等専門学校(旧専門学校令による専門学校を含む)の指定学科を卒業した場合:管工事に関する3年以上の実務経験が必要です 。
2. 実務経験のみによる場合
学歴や資格に関わらず、管工事に関する一定期間の実務経験があれば、専任技術者となることが可能です 。
- 管工事に関する10年以上の実務経験が必要です 。
3. 国土交通大臣が定める資格等による場合
以下のいずれかの資格を有している場合も、管工事業の専任技術者となることができます 。
技術検定
- 1級管工事施工管理技士の第二次検定合格者 。
- 2級管工事施工管理技士の第二次検定合格者 。
技術士法による技術士資格
- 技術士法の機械「流体工学」または「熱工学」総合技術監理(機械「流体工学」または「熱工学」)
- 技術士法の上下水道・総合技術監理(水道)
- 技術士法の上下水道「上水道及び工業用水道」総合技術監理(水道「上水道及び工業用水道」)
- 技術士法の衛生工学・総合技術監理(衛生工学)
- 技術士法の衛生工学「水質管理」総合技術監理(衛生工学「水質管理」)
- 技術士法の衛生工学「廃棄物管理」または「汚物処理」総合技術監理(衛生工学「廃棄物管理」)
職業能力開発促進法による技能検定
- 職業能力開発促進法の空気調和設備配管
- 職業能力開発促進法の冷凍空気調和機器施工
- 職業能力開発促進法の給排水衛生設備配管
- 職業能力開発促進法の配管(選択科目「建築配管作業」)・配管工
- 職業能力開発促進法の建築板金
その他、特定の資格や経験年数を持つ者
- 建築士法第2条第5項に規定する建築設備士となった後、管工事に関し1年以上の実務経験を有する者 。
- 水道法第25条の5第1項の規定による給水装置工事主任技術者免状の交付を受けた後、管工事に関し1年以上の実務経験を有する者 。
- 国土交通大臣の登録を受けた登録計装試験に合格した後、管工事に関し1年以上の実務経験を有する者 。
まとめ
管工事業の建設業許可を取得するためには、自社が手掛ける工事が管工事の範囲に該当するかを正確に把握し、さらに専任技術者の要件を満たす人材を確保することが不可欠です。
特に専任技術者の要件は、学歴、実務経験、保有資格によって多岐にわたるため、自社の状況に合った最適なルートを見つけることが重要です。ご質問等ございましたらお気軽にご相談ください。
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