今回は、建設業許可の中でも専門性の高い「解体工事業」に焦点を当て、どのような工事が解体工事に該当するのか、そして一般建設業許可の解体工事業を取得するために必要な資格について、詳しく解説していきます。
解体工事業とは?その工事範囲と他の建設業種との関連性
「解体工事」とは、工作物の解体を行う工事全般を指します。しかし、単に建物を壊すという行為だけでなく、その工事内容によって建設業法上の業種分類が異なります。
各専門工事に該当する解体工事
- 特定の専門工事によって建設された目的物(例えば、大工工事で建てられた木造構造物)を、その目的物のみを解体する工事は、原則としてその専門工事に該当します。
一式工事に該当する解体工事
- 総合的な企画、指導、調整のもとで土木工作物や建築物を解体する工事は、それぞれ「土木一式工事」や「建築一式工事」に該当します。これは、解体後の土地利用や再建築を見据えた大規模な解体プロジェクトなどが典型例です。
「とび・土工工事業」からの移行措置
- かつて、解体工事は「とび・土工・コンクリート工事」に含まれていました。しかし、法改正により「解体工事業」が独立した業種として新設されました。
平成27年度の法改正時点では、「とび・土工・コンクリート工事」の許可を受けている業者が「解体工事業」に該当する営業を一時的に継続して営むことができるという経過措置が設けられました。この場合、継続して営む者は「解体工事業」の許可を受けた者とみなされ、関連法の規定が適用されます。
このように、解体する対象や工事の規模、目的によって、許可が必要な業種が異なる場合があるため、ご自身の行いたい工事内容を正確に把握することが重要です。
一般建設業許可「解体工事業」取得に必要な資格要件
一般建設業許可を取得するためには、各営業所に「専任の営業所技術者」を配置することが建設業法で義務付けられています。この技術者が、解体工事業に関する以下のいずれかの要件を満たす必要があります。
1. 指定学科の卒業と実務経験による要件
解体工事業の「指定学科」は、土木工学または建築学に関する学科とされています。これらの学科を卒業している場合、必要な実務経験の年数が短縮されます。
- 高等学校または中等教育学校の指定学科を卒業している場合:卒業後、5年以上の解体工事に関する実務経験が必要です。
- 大学または高等専門学校の指定学科を卒業している場合:卒業後、3年以上の解体工事に関する実務経験が必要です。
「実務経験」とは、建設工事の施工に関する技術上の職務経験を指し、単なる雑務は含まれません。
2. 長期の実務経験による要件
- 特定の学歴がない場合でも、解体工事に関する10年以上の実務経験があれば、営業所技術者の要件を満たすことができます。この場合も、実務経験の内容が技術的な職務であることが重要です。
3. 特定の国家資格等による要件
国土交通大臣が上記指定学科の卒業または実務経験のみの要件と同等以上の知識及び技術または技能を有すると認定した者も、営業所技術者となることができます。解体工事業で認められる主な資格は以下の通りです。
技術検定合格者
- 1級土木施工管理技士または1級建築施工管理技士の第二次検定に合格した者。
- 1級土木施工管理技士または1級建築施工管理技士の第一次検定に合格した後、解体工事に関し3年以上の実務経験を有する者。
- 2級土木施工管理技士「土木」または2級建築施工管理技士「建築」または「躯体」の第二次検定に合格した者。
- 2級土木施工管理技士(検定種別が「鋼構造物塗装」または「薬液注入」のものに限る)または2級建築施工管理技士(検定種別が「仕上げ」のものに限る)の第二次検定に合格した後、解体工事に関し5年以上の実務経験を有する者。
- 2級土木施工管理技士または2級建築施工管理技士の第一次検定に合格した後、解体工事に関し5年以上の実務経験を有する者。
- 1級造園施工管理技士の第一次検定、第二次検定に合格した後、解体工事に関し3年以上の実務経験を有する者。
- 2級造園施工管理技士の第一次検定、第二次検定に合格した後、解体工事に関し5年以上の実務経験を有する者。
- 経過措置(特例):平成27年度までに特定の1級・2級施工管理技士(土木、建築)に合格した者は、解体工事に関する国土交通大臣の登録を受けた講習を修了するか、または当該技術検定合格後1年以上の解体工事に関する実務経験が必要です。
技術士
- 技術部門を建設部門、または総合技術監理部門(選択科目を「建設部門」に係るものに限る)とする第二次試験に合格した者。
- 経過措置(特例):技術部門を建設「鋼構造物及びコンクリート」または総合技術監理部門(選択科目を「鋼構造物及びコンクリート」に係るものに限る)、解体工事に関する国土交通大臣の登録を受けた講習を修了するか、または当該第二次試験合格後1年以上の解体工事に関する実務経験が必要です。
職業能力開発促進法による技能検定
- 1級のとび・とび工に合格した者。
- 2級のとび・とび工に合格した後、解体工事に関し3年以上の実務経験を有する者。
基幹技能者
- 国土交通大臣が登録した試験(登録解体基幹技能者)に合格した者。
「解体工事試験」に合格した者も、専任技術者となることができます。この試験には、解体工事に関する法令、土木工学・建築工学、技術上の管理、施工方法、工法・機器、実務に関する内容が含まれます。
特定の工事経験の特例
- 土木一式工事および解体工事に関し12年以上の実務経験を有し、かつ解体工事に関し8年を超える実務経験を有する者。
- 建築一式工事および解体工事に関し12年以上の実務経験を有し、かつ解体工事に関し8年を超える実務経験を有する者。
- とび・土工・コンクリート工事および解体工事に関し12年以上の実務経験を有し、かつ解体工事に関し8年を超える実務経験を有する者。
建設業許可申請に必要な書類
解体工事業の建設業許可を申請する際には、上記の資格要件を証明するための書類が必要です。主な提出書類は以下の通りです。
- 営業所技術者等証明書:専任技術者の情報を示す書類です。
- 資格証明書、卒業証明書等:保有する国家資格の合格証明書や、最終学歴の卒業証明書などを提出または提示します。
- 実務経験証明書:実務経験を要件とする場合に提出します。この書類の「実務経験の内容」欄には、具体的に行った工事名を詳細に記載する必要があります。また、記載した工事に係る請求書などの裏付け資料も必要になります。
これらの書類は、申請先の都道府県庁または国土交通省に提出します。
許可行政庁について
建設業許可の申請先は、営業所の所在地によって異なります。
- 都道府県知事許可:一つの都道府県内にのみ営業所を設けて営業しようとする場合、当該営業所の所在地を管轄する都道府県知事の許可を受けます。
- 国土交通大臣許可:二つ以上の都道府県の区域内に営業所を設けて営業しようとする場合、国土交通大臣の許可を受けます。
まとめ
解体工事業の一般建設業許可は、専門的な知識と経験、そして適切な資格要件の証明が求められます。ご自身の状況に合わせて、どの要件を満たすことができるかを確認し、計画的に準備を進めることが成功の鍵となります。
許可申請手続きは複雑であり、準備すべき書類も多岐にわたります。ご不明な点やご不安な点がございましたら、お気軽にご質問ください。
ご依頼の流れ
メールフォーム、お電話、LINEにてお問い合わせください。
対面、お電話、zoom、LINEなどでお客様のご要望や許可の要件などを無料で診断いたします。
初回相談の内容をもとに、お客様にあったご提案とお見積りを作成いたします。
上記のご提案にご納得いただきましたら必要な契約をいたします。
お見積り額に基づき請求書を発行いたします。着手時にお支払いいただきます。
ご依頼いただいた内容にて業務を実施いたします。
新規許可の場合、申請後30日から45日程度で許可がおります。(※知事許可の場合)
事務所概要
事務所名 | 行政書士濱田大雅事務所 |
代表 | 濱田 大雅 |
営業時間 | 8:30〜17:30 *事前予約があれば土日祝、営業時間外も対応可 |
TEL | 070-8394-1810 |
メール | info@gyo-hamada.com |
所在地 | 兵庫県尼崎市水堂町3丁目1−17 フリーデ立花202号室 |